八千代座100周年
バルセロナフェスティバル共同製作作品[Ki]の公演が6月4日・5日盛大に開催されました
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100年前に作られた八千代座の芝居小屋としての機能は、大変優れたもので、廻り舞台やスッポンなど、現在でも使用可能な、充実した設備を備えています。木造2階建、瓦の数は、直接雨を受ける部分だけで約27,000枚、これに鬼瓦やノシ瓦を含めると全部で約33,000点になります。(明治時代の規格の瓦で37,000点)瓦の総重量は約78トン。ぶどう棚や天井広告、花道、桟敷席に桝席、奈落など歌舞伎小屋の特徴を伝える芝居小屋です。一見すると和風建築に見えるものの、実は,桁から下が伝統工法・桁から上(小屋組)が洋式工法という、和洋折衷の建築様式が施してあるのも八千代座の特徴です。大屋根を支える上屋柱は、5寸5分角が標準です。側廻りの柱は4寸3分角、その他に4寸・5寸・6寸7分などが用いられています。一般住宅に比べると太い柱ですが、八千代座の空間から見比べると非常に細く感じられます。
江戸時代の歌舞伎小屋の様式
(花道、廻り舞台、桝席、桟敷席)を伝える木造2階建ての建物です。天井には、広告画が並んでいます。
(上)天井裏トラス
(下)八千代座の断面図
1階客席は、左側の花道と仮花道に囲まれ1段低くなっている平土間と右側上手桟敷と左側下手桟敷、平土間後方(家族席)からなります。平土間は、3段にわたる勾配が付けられています。柱の数を少なくし、舞台を見やすくするために、屋根裏の小屋組にはトラス工法が用いられ,2階席を支える柱には鉄の鋼管が使われています。客席全体が後ろにいくほど高くなっており,後ろの席でも舞台が見えるように設計されています。現在の劇場ではあたりまえですが、芝居小屋としては、大変珍しいものです。現在は1階と2階上手・下手後方と正面に椅子席を設けています。車椅子席も設置されました。
廻り舞台・すっぽんも人力で動かします。
(左)廻り舞台
(右)2階より花道、舞台、桝席、上手桟敷・天井広告